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古川日出男×福嶋亮大 トークセッションに寄せて

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以前よりお伝えしていますが、明日、2011年7月2日「STORY⇔HISTORY―ハイパーリアル時代の「物語」の可能性―」と題し、小説家の古川日出男さんと文芸評論家の福嶋亮大さんのトークセッションを行います。
http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk-shinjyuku.html#20110702shinjuku


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STORY⇔HISTORY―ハイパーリアル時代の「物語」の可能性―
時間:2011年7月2日
場所:ジュンク堂書店新宿店8F 喫茶スペース
出演:古川日出男×福島亮大 司会:武田俊(KAI-YOU)
入場料: 1000円(1ドリンク込み)
申し込み:ジュンク堂書店新宿店 電話:03-5363-1300
     ※参加ご希望のお客様は7Fカウンターにてお申し込みもいただけます。
企画・制作:KAI-YOU


今回のトークセッションのテーマは、『界遊005』の特集に引き続き「ハイパーリアル」、そして「歴史」と「物語」です。
3月11日の震災以降「震災以後の文学はどのように振る舞い、どうなっていくのか」といったアジェンダの元、多くのトークセッションや記事、Web上での言説等が散見されています。
あるいは、いま何かしらの企画を行ううえで、どうしても「震災以後」というワードからは逃れられなくなっています。

そんな状況の中、福島を故郷に持つ作家・古川日出男さんは『新潮』6月号にて、書き下ろし小説「馬たちを、それでも光は無垢で」を発表されました。
既に各所で話題となっている作品これは3月11日以降、故郷の福島に古川さんが戻られた状況を、ドキュメンタリー、そして「物語」の二つの形式を用いながら、震災に見舞われた土地と共に描写していきます。当日のトークセッションでは多く触れられる作品になると思います。

現実と非現実(「馬たちよ〜」に即すならばドキュメンタリーと物語と当てはめていいかもしれません)が互いに干渉し、互いをシミュレーションと見なして発展していく状況を「ハイパーリアル」と呼びます。福島亮大さんは著作『神話が考える』にて、ボードリアールから引用した「ハイパーリアル」論をもとに、多くの文芸作品と現代の文化の状況を論じました。
また先日発行したフリーペーパー『界遊005 1/2』では、「ハイパーリアルから歴史へ」題したエッセイをご寄稿いただきました。そこでは「ハイパーリアルが偏在した」現代下での作家に対し、「歴史の編集」を提言されています。

歴史上、何度も何度も大震災はあり、その度に多くの犠牲がありました。けれど、物語は震災をシミュレーションできなかった。歴史が寸断された状況で、想像力は何をなし得るのか――。

両者の対談、是非ともご覧下さい。

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