とあるカードゲームのコミュニティ形成について
代表・米村と副代表・新見の連載がスタート。ふたりが毎週火曜に週替りでブログを書いていきます!
「代表/副代表が普段考えていること」「お互いが書いた記事への意見」「お互いに言いたいけど言いにくいこと」などなどが書かれていく予定(!)です。
とあるカードゲームのコミュニティ形成について
わいがちゃんよねや(Twitter@TYonemura)
みなさんこんにちやす、米村です( ;∀;) ウッ
GW、みなさんいかがお過ごしでしたでしょうか?
僕はというと、散歩したり本を読んだり、掃除したり台所の水漏れを直したり、あとは『Magic:The Gathering』の大会に出たりしていました。
『Magic:The Gathering』というと、みなさん名前くらいは聞いたことがあるとは思います。世界的に有名なカードゲームで、賞金が高くて、これで食ってる人も少数ですがいます。
いまKAI-YOUでは「遊びで食う」という現代的なライフスタイル、及びカルチャーに注目しており、私も社の代表として「遊びで食う」ことを学び、実践しようと日夜『Magic:The Gathering』の腕を磨いています(道は遠いです…)。
ゲームとしての面白さは、その深く複雑な面白さゆえに文字通り筆舌にし難く、ゲームの内容というより周辺の状況やコンテンツを紹介することで、あまり馴染みのない人に魅力的に思ってもらえたらなと思っています。
①オウンドメディア(公式サイト)のコンテンツが最高に面白い
『Magic:The Gathering』の公式サイトなので、もちろんカードの話題がほとんどなのですが、時折カードゲームに関係ない人生論などを無理やりゲームやカードにこじつけて展開するコンテンツがあり、かなり面白いです。
②プロプレイヤーの思想、思考法がぶっ飛んでる
『Magic:The Gathering』の世界には「プロ」と呼ばれるプレイヤーがおり、世界中のプレイヤーから認知されているような、有名な日本人プロプレイヤーも少なくないです(少ないですが)。
プロの定義は「プロツアー」(でかい大会)に参加している、スポンサーがバックについて活動している等、あまり決まってはいないですが、プロと呼ばれる人たちの思考法はとても面白いです。
例えばこの記事。かなりぶっ飛んではいるけど大事なこと言ってます。
以下、引用です。
齋藤友晴氏:絶対的な強弱が無い中で、プロのプレイヤーがどういう風にカードの強さを捉えるかというと、コストに対してどれくらいのリターンがあるかという視点なんですね。
インタビュアー:コストに対するリターン……。何だか、意識高いビジネスマンみたいですね。
齋藤友晴氏:はい。この2枚のどちらをデッキに入れるべきか考える際には、さまざまな観点からリターン/コストを考えるんです。
上記の“マナ”というのは実は視点の1つに過ぎなくて、消費されるターンだとか、与えられる可能性のあるダメージ数、自分の他のカードとの相性、相手のデッキとの相性、いつそれを引けるのか、などのいろいろな視点から、どちらが総合的なリターン/コストが優れているのかを想像します。
(中略)
齋藤友晴氏:そうです。そして、このゲームを徹底的に考えながら何百、何千、何万とプレイを繰り返していると、自然に日常の行動に対しても徹底的にリターン/コストを考える癖がつくようになるんです。
インタビュアー:日常で……ですか?
齋藤友晴氏:朝何時に起きるか、どの電車に乗るか、だれと付き合うのか、どんな仕事をするか。全ての選択に対して、さまざまなリターン/コストが伴いますよね。リターンっていうのは、お金だったり、安全だったり、感動だったり、人や場合によっていろいろですが。
インタビュアー:たしかに、そう言われると些細なことでも毎日無意識に選択を迫られ、無意識のうちに判断を下してますね。「ウンコしたけどケツ拭こうかな、どうしようかな……う〜んと、よし、ケツ拭こ!!」みたいな。
齋藤友晴氏:それも立派な判断ですね。
③独自の経済が回っている
TCG(トレーディングカードゲーム)というと、基本的にパックを剥いてカードを集めるイメージが強いと思いますが、『Magic:The Gathering』は特にシングルカードでの取引が盛んに行われています。
またそのカードの値段というのも、週ごとに大きく変動し、どのカードの値段が下がるか、上がるかといった予想を立てて計画的に購入/売却を行うことで株の取引じみたビジネスを行うことが可能となっています。
例えば、下記のサイト「Wisdom Guild」ではグラフでそのカードの値段推移や、平均価格などを知ることができます。
また、カードショップ「BIG MAGIC」では、プロが自らこのカードが買い時だ、みたいなことを理論立てて説明してくれたりしています。
また、個人経営のカードショップも無数に存在し、情報収集や英語が得意な人にはおすすめの商売かもしれません。円高時を狙って、海外から輸入したり買い付けにいったりする人もいるようです。
④20年以上続いていて、まだまだ発展途上である
『Magic:The Gathering』は20年以上の歴史を持つ、世界最古のTCGといわれていますが、それでもまだまだゲームの可能性に終わりがなく、良い意味で発展途上だといえます。
ルーリングに関する議論が日々行われたり、禁止カードが突然発表されたり、女性限定大会の開催や初心者限定大会の開催など、プレイヤー層の多様化について、公式だけでなくカードショップ側、あるいはプレイヤー側も努力を続けているように思えます。
近年では、山手線の看板広告で『Magic:The Gathering』をみかけることが増えてきました。
いろいろ分類して紹介してみましたが、何より『Magic:The Gathering』が他のカードゲームより優れている部分は、企業、店舗、プレイヤーの三軸でつくられるコミュニティ維持と発展にかける意志の強さだと思います。IT的な用語でいうと、コミュニティマネージメントが本当に上手く、勉強になります。
ところで、来週末は「ゲームデー」という、世界中の『Magic:The Gathering』公認店で同日に開催される、お祭り的な大会があります。
こちらは比較的、初学者にもやさしい、エンジョイ的な大会なので、興味がある人は参加してみてもいいかも。