新社会人が全員『プラネテス』を観るべきいくつかの理由
代表・米村と副代表・新見の連載がスタート。ふたりが毎週火曜に週替りでブログを書いていきます!
「代表/副代表が普段考えていること」「お互いが書いた記事への意見」「お互いに言いたいけど言いにくいこと」などなどが書かれていく予定(!)です。
新社会人が全員『プラネテス』を観るべきいくつかの理由
わいがちゃんよねや(Twitter@TYonemura)
こんにちわっす、米村です。
最近毎週のように風邪ひいたりいろいろ上手くいかないことが多くてとても参ってました(だいたい毎年冬はそんな感じでかなり落ち込んでます、人付き合いもめっちゃ減る)。
そんな折に、前々から気になってたアニメ『プラネテス』をTSUTAYAでレンタルしてたまたま観たのですが、これが本当に面白い作品で、かなり元気をもらいました。
私はもう社会人7年目とかですが、この4月に社会人になりたての人におすすめかもしれません。というかもっと早く見ておけばよかった。
どんな話なの?
人類が宇宙にわりと当たり前のように進出した時代の話で、SFです。NHKで2004年ごろの放送されたアニメ作品。原作は同名の漫画です(作者は『ヴィンランド・サガ』の幸村誠さん)。
『プラネテス』の時代には、地球の資源が尽きそうになってて、貧しい国では紛争が多発しています。新たに宇宙開発によって月や木星からの新たな資源を回収することが、人類の未来にとって、とても大事になってます。
主人公(ハチマキという名前)は宇宙開発にあたって事故などの原因となる「デブリ(宇宙のごみ)」を回収する仕事をしていて、基本的にはその小さな仕事を軸に大きな物語が動いていきます。映画『ゼロ・グラビティ』でもありましたよね、デブリ。覚えてますかね。
新社会人が観るべき理由
その① 主人公(ヒロイン)が新社会人である
正確には主人公じゃなくてヒロインだと思うんですけど、テーマの中核を担ってるのでこの子も主人公ってことにします。
この子がめちゃくちゃ頭悪くて、もうほんと社会人として終わっててむかつく場面が多々あるんですけど、そこも含めてすごく新社会人っぽいです。
その② 細部がいちいち企業ものっぽい
SFなんですけど、宇宙事業の企業物語としてもすごく楽しめます。ベンチャーが買収されたり、上司が昇進のことばっかり考えてたり、部下が言うこと聞かなかったり、子会社が親会社を裏切ったりといちいち企業ものっぽくて面白いです。
半課(半人前、半端者、人数が半分)と揶揄されるデブリ課がどうやってのし上がっていくか。そこも物語のターニングポイントとなっています。
なんで人に嫌われるのか、どういう人が好かれるのか、仕事に対して前のめりな人とやりたくない人がなぜ生まれるのか。本当にこれが天職なのか、という数々の疑問が新入社員にはつきまといます。
その③ 宇宙について、人について、仕事についての話である
これが一番大切なんですけど、この物語のテーマは「宇宙とは?」「人とは?」という普遍的なものです。ただ、その問いの起点はデブリ拾いという仕事が発端にあります。
まったく華やかではなく、常に死の危険と隣り合わせの回収業者という、人類の発展にとって必要だけれども誰もやりたがらない仕事をきっかけに、宇宙と人間に対する思索が行われます。
もし自分の従事している仕事について迷ったとき、そこから物思いに耽ってほしいです。 自分が本当にやりたいことは何か、自分の仕事が誰に対してどんな価値を創造しているのか。 その小さくて弱すぎる思考こそが、宇宙と人類というでかすぎる物事に直結しています。
その④ それぞれに信念がある
良い上司、良い部下、憎めない奴、疎まれる奴、味方や敵、みんなでてきてリアリティがすごいっす。
ただ各キャラクターにはそれぞれに強い信念や信仰があり、真っ向からぶつかったりしていきます。なんかもう社会や会社ってそんなもんです。
あと台詞がとてもいいです。私の好きな台詞を下記に貼っておきます。
「全部オレのもんだ 孤独も苦痛も不安も後悔も もったいなくてお前なんかにやれるかってんだよ!」 「クソッタレな今日を生きていけるのは! 明日に期待するからだろ!」
なんか他にもたくさんあったんですけど忘れてしまいました。
原作の漫画とアニメでだいぶ話が違うっぽいんですけど、漫画はこれから読みます。原作厨すまん。
仕事や人間関係などでうまくいかなかったり悩んでるとき、人それぞれにその解決の糸口やストレスの発散方法などあると思うのですが、やっぱり素晴らしい作品に触れるというのが私にとっては一番良いようです。まあ滅多にこんなに面白い作品には出会えないんですが……。
そんなわけで新年度もみなさまよろしくお願いします。