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「アニメーションの未来」レポートです!

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去る3月18日に開催いたしました、「アニメーションの未来」。改めましてご来場いただいたみなさん、ご視聴いただいたみなさん、ありがとうございました!

2.5Dでのトーク主体の弊社イベントは去年以来ということで、やや不安もありましたが、おかげさまで会場にも多くのお客さまに来ていただけ、Ustreamでの視聴者は合計で10000人を越えました!
ゲストのみなさんのプロフィールやイベントの詳細はこちらからどうぞ
http://kai-you.net/news/1096


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左から水江未来さん、植草航さん、石田祐康さん、土居伸彰さん

日本のアニメと聞いて最初にイメージされる、テレビや劇場で展開される商業アニメと、水江未来さんはじめ海外のシーンでも評価されている短編アニメーション。それらの制作背景や、流通やマネタイズにまつわる問題について、それぞれの立場からの意見を交わし議論していただきました。


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まずイベントはそれぞれのゲストの作品を会場上映/Ust配信し、制作の意図と、そもそもアニメに携わったきっかけをうかがうところからスタート。三者三様の作品は、はじめて見る方も多く(こういった短編アニメーションというものを見る機会をどうすれば作ることができるのか、というのが大きな問題として後半話題にのぼりました)、Twitterでは作品のクオリティの高さに驚くようなツイートも見受けられました。
また唯一アニメの作り手ではなく、アニメーション研究・評論のお立場から、土居さんに作品のポイントを解説していただけたので、はじめて見る方への導入としても大変参考になったかと思います。


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上映のあとは、よどみなくトークが続きました。
水江さんに、美大を卒業した後どのように生活しながらアニメーションを作ってきたのか、というリアルな話をしていただき、その作品とのギャップから、会場からどっと笑いが起こりました。また、土居さんを中心に議論された、日本の短編アニメーションの流通にまつわる問題や、海外の映画祭に出品する意義とそれにともなう困難さについての水江さんの実体験は、若い作り手である植草さん、石田さんはもちろん、これからアニメーションを作りたい、作り続けたいという立場の学生にも貴重なお話だったのではないでしょうか。

ネットをどう利用するか、という話題もタイムリーでした。
短編アニメーションをいかに広めるかということに意欲的に活動している、水江さん、土居さんのレーベル・CALFでは、マイクロパトロンプラットフォーム・CAMPFIREを効果的に利用し、潜在的な観客を集めているという事例があります。対して、植草さん、石田さんはよりナチュラルに作品を展開する場として、ネットを身近なツールとして利用されてきました。みなさんがこれからどういう展開をネットで、あるいは上映の場でしかけていくのかは、司会の立場としてもとても気になる部分でした。


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質疑応答では、「アニメーションを辞めたいと思ったことは?」というシリアスな質問から、「クリエイターとして今日なぜそのファッションを選ばれたのですか?」というクリティカル(?)な質問までさまざまな問いが飛び出し、会場は和気あいあいとした雰囲気に。

最後にはゲストみなさんのおすすめのアニメーション作品を上映しながら、閉幕となりました。「こんなアニメもあるのか」「はじめて短編アニメを見たけど、おもしろい!」といった素朴な感動を感じさせるツイートを見ることができて、主催者冥利につきました。あらためて、ゲストのみなさん、ご来場/ご視聴のみなさん、2.5Dスタッフのみなさん、本当にありがとうございました!

さてさて次回のイベントは、と告知をしたいところなのですが、現在いくつか調整中です…。
近く告知させていただけると思いますが、おそらく5月には次のイベントでお会いできると思います。ぜひ楽しみにお待ちください!