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週刊KAI-YOU vol.11 |編集/Web開発/糊しろ|

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 このエントリをつける度に、「先週は何があったかな」と振り返る習慣ができました。先週はとある先輩経営者がオフィスまで遊びにきてくれ、いろいろアドバイスをいただくというありがたい飲み会や、とある美女ライターお二人と東京の東の果てで生肉を食す会など楽しいできごとがあったのですが、「とある」としておくのが粋な気がするのでこの辺りにしておきます!



■Arts and Law 永井さんの取材
Arts and Lawクリエイティブ・コモンズ・ジャパンなどでも活動されている弁護士の永井幸輔さんに取材していただきました。Arts and Lawは、弁護士さんを中心にあらゆる文化活動に携わる人々を対象とした専門アドバイスを提供されている非営利組織です。

永井さんには先日終了した「Post dpi」展の中で、Ustreamに出演いただいたことから、今回の取材につながりました。内容は近く公開されるであろう記事をご覧いただきたいのですが、取材時間の後半は会社を経営していくにあたって法務的な部分でいろいろとご相談させてもらうというありがたい時間に。もっと勉強しないといけないことがたくさんあるなと改めて気づかされた時間でした。ありがとうございました!


■『屍者の帝国』発売!

ここで僕が改めて書く必要もないほど、話題となっている『屍者の帝国』がとうとう発売になったので、さっそく書店に走ってきました。

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▲いち早く買ってきたつもりが、弊社役員全員がそれぞれ購入していたという

09年に他界された伊藤計劃さんが遺された原稿用紙にして30枚ほどの表題作を、円城塔さんが芥川賞の記者会見で引き継ぎ完成させると発表されたこの作品。その制作背景や、伊藤さんが他界されてしまったからこそ生まれたコラボレーションに注目が集まっていますが、その内容もWeb上でかなり高い評価がなされています。まだ僕は序盤ですが、ページを早くめくりたがる手をあえて制しながら、じっくり楽しみたいなと思い読み進めています。

 

さて、実は現在編集で携わっている媒体が佳境でかなりバタバタしているのですが、そんな折ふと社内チャットを見ると「新サービスどうなった?」の文字が。どうも2日間ほどで、ふと浮かんだアイデアを形にしてみたということのよう。とてもワクワクさせられた反面、決算書など事務的な作業に追われていた自分はちょっと頭が固まりかけているのかも、と感じてしまいました。

いわゆるスタートアップ企業とKAI-YOUが少し異なっているのは、役員が編集者であり、メディアに携わってきたというところだと思っています。なので、日々いま何が盛り上がっているかを、いい意味で自身の趣味嗜好と切り離しながら観察し、考えるクセがついています。そんな時、例えばある盛り上がりを見せているコンテンツとその周辺が一見そこまでおもしろく思えなくても、なぜ盛り上がっているのかを考え文脈のレイヤーをとらえることで、共通するレイヤーを持つ他のコンテンツを交えながら企画を立てることができる。それが編集者的なスキルの1つなのではと考えます。そのスキルは、Webサービスの開発の際にもかなり有効だなと最近改めて感じているところなのですが、少しだけ違いがある気もしています。

多様化するコンテンツと価値観は一見すると点在しておりバラバラですが、それゆえにつなぎ合わせることのできる糊しろの数が増え続けています。編集業では、その糊しろ同士をいかにうまくくっつけるかが重要ですが、Webサービスを作る際には、いかに糊しろ同士が自然とつなぎ合う環境を作るか、という視点が重要なのかもしれません。

……なんて早朝から考えていましたが、要はもっと頭を柔らかくして、よいアイデアが生まれやすい状況に自身の脳みそを置いておかないとな、と思っている昨今なのです。