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KAI-YOU起業への道 〜起業準備篇その1〜

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またまた時間が空いてしまいました。
KAI-YOUを会社にして、はや半年近くが経ちました。今は、フリーランス時代にはあまり熱心に記していなかった年賀状を用意したり、初めての年末調整(といっても大したことはないのだけど)を行ったり。会社をおこす=社会とちゃんと関係する、ということを妙に実感する日々で、心なしか季節の変化にも敏感になったような気がします。

というわけで、残すところ(たぶん)今回を入れてあと2回くらい、起業までのいきさつについて記そうかと思います。これまでのエントリを読んでないかたは、下記からどうぞ!


KAI-YOU起業への道 〜決意前夜篇その1〜
http://d.hatena.ne.jp/KAI-YOU/20110711

KAI-YOU起業への道 〜決意前夜篇その2〜
http://d.hatena.ne.jp/KAI-YOU/20111027/1318693329


この「いまどき本を作っていた僕たちが、いろいろを経て起業するに至ったいきさつ」について記す連続エントリを書く前に、毎回これまでやったことを簡単に振り返ることにしている。今回は現状で『界遊』の最新号となっている、2011年2月18日発売の005号を読み返していたのだけど、その巻末に、ぼくは決意表明のためにこんなリードからはじまる文章を記した。

「2011年2月18日をもってKAI-YOUは、第1期の活動を終了致します」

巻末の編集部による原稿のページだから、これは入稿直前のギリギリなところで書いたものだったはずで、「あー、もう書いちゃった。戻れねーぞ!」なんてその時は思っていた。
この号については色々しかけを施していた。コピーとオリジナルをめぐるハイパーリアル特集ということもあって、発売はぼくらのイベント「グレイトフル・ポップvol.2」の開催当日に当て、来場者にはスペシャル・エディションと称し、本誌と同じ内容ながらすべてクラフト紙で印刷したオフィシャルの「コピー本」を部数限定で配布したのだ。更にサプライズとして、巻末で「起業」を表明したのだった。


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「グレイトフル・ポップvol.2」のトークイベント。手前より入江悠監督、坂口恭平さん、tomadさん、佐藤雄一さん、司会・武田


正直言って、自分が自ら会社を起こすなんてことはこれまでに考えたこともなかった。ただ本を読んだり、映画を見たり、音楽を聞いたり、スポーツを見たり、そういうことが単純に好きなだけだった人間に、(素質的なものも含め)会社なんてものが立ち上げられるのか毎日不安だった。KAI-YOUの活動自体にしても、当初のミッションである世界と遊ぶ文芸誌『界遊』の制作だけでなく、Web上での展開やイベントの企画・運営など広範囲に渡り始めていた。てんやわんやの状態が続き、仕事の片手間でできるものではなくなっていた。

でも、ひとつだけ変わらないものがあったとすれば、それは雑誌『界遊』のコンセプトであり、それらを制作する組織・KAI-YOUのビジョンだ。閉塞感を突破するために、世界と遊ぶように様々なジャンルやメディアと手を繋ぎながら、新しい風景や場の構築を目指すということ。そしてそれが出来る限り、風通しのよいものであるべきだと考えていること。好きだから何かを作る、ということから離れたぼくらは、はじめから企業理念だけを共有して、動いていたようなものだった。


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「グレイトフル・ポップvol.2」ばっちり盛り上げてくれた快速東京


なんて考えていたけれど、最終的にはここまできたならとことんやっていきたい。がんばってみたい! っていう子どもじみた気持ちが先行しだしたので、普段チキってしまう自分にとっては好都合とばかりに、その波に乗ってみることにした。これまで一緒に活動してきたメンバーたちとも話あって方向性を決め、いよいよ動き出そうという機運が高まった。
あとは現実的な問題と、実践あるのみ。

というわけで、本好きな上にマニュアル厨であるぼくが最初にとった行動は、大型書店に出向き「起業するならこれ1冊」的な本をやたらと購入することだった……!
普段実用書をそこまで読まないので、逆に新鮮さを感じながら読み進めると、複雑なようで実はシンプルな(それに気づくまで時間がかかった)、会社を起こすまでの工程がだんだん分かり始める……。しかし、少し進むたびにあらたに判明する、数々の、ただしひとつずつはさほどどーってことない問題たち! そのたびに、揺れ動くひよっ子起業家見習い(?)たち!


次回は、もっと実務的な部分も含め、「そもそも会社ってどーやってつくるの?」という部分を経験に照らし合わせつつ、そうやって起こした会社でぼくらが何を変え、つくりあげていくのか書いてみたいと思います。