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KAI-YOU BLOG

KAI-YOU inc.からのお知らせや、コラムなどの読み物コンテンツを掲載します

KAI-YOU起業への道 〜決意前夜篇その1〜

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「本が好きだから」という単純な理由で文学部日本文学科っていう、言ってしまえば何のつぶしもきかない学部に入って3年が経った2008年。バンドを組んでみたり、所属する映画サークルで企画を打ったり映画を撮ったり、悠々自適な学生生活を送っていたんだけど、ふと気がつけば周りはどんどん就活を始めだしていた。

「そろそろ自分も始めないとなあ」とは思っていたものの、文系学生にありがちな時間の持てあまし方をしていたぼくは、自分が社会人になるという実感が全然持てず、みんなのようにリクルートスーツを着ている姿が全然イメージできなかった。なにかやりたいことがあったはずだった、って言うと自分探しの若者みたいに思われるかもしれないけど、そうじゃなかったはずだと思う。そうじゃなくて、はじめから自分の中にあるはずなのに、それを形に、行動に、そもそも言葉にできていない、心もとない心境だったというのがただしい。


少し後になって気づくのは、ぼくがその時本当にやってみたかったこと。それは、風穴を開けたいっていう、ただそれだけのことだった。


近現代文学を専攻していたということもあって、その当時から、いわゆる「文学」は閉塞感にみちている、と感じていた。もっと言えば、文学を取り巻く環境は、ぶっちゃけ気に食わないことばっかだった。このあたりは都合によりはしょらせてもらうが、ごく狭い業界で、ごくささやかな、だからこそ勝手な、あるつまらないことが起きた。きっかけらしいきっかけと言えばそれくらいだったろう。自分が感じてたことはこれなんじゃないか、その時にそう思った。いや何も文学だけじゃなくて、自分の好きなものはすべて、急速に光を失いつつあった、そうずっと感じていた。なんでなんだろう? 言葉にできないわけじゃないけど、長くなりそうなのでそれは別のキカイに譲ります。

もっと簡単な話。面白いことがないなら自分で面白いことをすればいい。別にカウンターカルチャーを気どる必要とかないし、メジャーとサブの対立とか正直どうでもいいし。とにかく関係なく、そういうつまらない対立とか制約とか思い込みとかしがらみとかを越えた、面白いことがあってもいいじゃん?
普段はうだうだと考えこんで動かないぼくも、今回ばっかりは行動が早かった。なにせ時間はたっぷりあった。心当たりの人間に声をかけて、自分の部屋に編集会議という名目で集まってあーだこーだ話し合ってまずは雑誌の名前を決めることに。思いつくままに候補をノートに書き出していた。


「もっとさあ、ジャンルを越えてかないと色々限界じゃね?」
「遊ぶように楽しめるような」「どーせなら世界っしょ」


そんなようなことを言ったか言わないかさえ、今となっては正確なところは覚えていないけれど、その中で出たいくつかのキーワードとビジョン(と言えるのかもはなはだ不安な理想像のようなぼんやりとした何か)を自分たちなりの言葉に落とし込んだのが、「世界と遊ぶ文芸誌=界遊」だったんだと思う。
載せたいと思える、もっと言えばジャンルを越えて届くと思える作品を載せられて、創作の動機に迫るインタビュー記事も載っている、文字通り雑多だけど芯をぶらさないで方向性を示すことができる(大げさすぎる物言いかもしれない汗)、カルチャー誌のような文芸誌のような「世界と遊ぶ文芸誌」。

じゃあさっそく動き出そう、となったけど本を作るにはお金が必要だ。そこでめいめいバイト代などをかき集めたのだが、それも学生のこと。せいぜい印刷代程度しか集まらない。取材費はどうしよう……しっかり出したいけれどどうも難しそう……じゃあイベントを企画してそれを収録してコンテンツにすればいいのでは、という案が選ばれてまだ本が出来ていないのに創刊イベントを行うという謎の展開になった。
場所は通っていた学校を使い、文芸評論家の田中和生さんと、批評家/編集者の仲俣暁生さんをお呼びして、新しい小説の可能性についてお話してもらった。今でこそ色んなイベントで司会をさせてもらっているけれど、この時は人生初めての司会。幸か不幸か事前の宣伝もあって、お客さんは満員。最初の一言が肝心だと意気込むも、完全に空回りあせりがあせりを呼んでもうかみっかみな感じで終始進んでいったのは、今思い出してもそら恐ろしい……。


ありがたかったのは、終演後の打ち上げにお客さんも含めて20人以上参加してくれたことだった。(ぼくらの原点はここにあって、だからいまだにイベントの打ち上げはなるべくお客さんも参加できるようにするし、オフィスパーティは誰にでも来てもらいたいし、「世界と遊ぶ!展」は来場者参加型なんだろう)
そのことに妙にカンドーしていたぼくは、これはかなり面白いことになるぞ、と焼き鳥をくわえながら心地良い疲労の中でぼんやり夢をふくらませていた。
2008年、7月。
ぼくはこれから起こる面白くも恐ろしい日々をまったく予想できず、ただただビールを口に運ぶばかりだった。





――――――――

「起業への道」篇はいくつか続きますが、ひとまずそれはここで区切って、下記お知らせです。ぜひ皆さん遊びにいらしてくださいな!


7月16日(土)、新たに構えた池袋のオフィスで16時からオフィスを終日開けて、パーティを行います。予約不要・参加費無料で、関係者に限らずどなたでもご自由に遊びにいらしてください。ささやかな飲食物も用意します。

合同会社カイユウ」オフィスパーティのお知らせ
日時:2011年7月16日(土)
時間:16:00〜
   (会期中、開始から終日オフィスを開放いたしますので、ご都合に合わ
   せてご来場ください。申し込みは不要です)
場所:〒171-0022 東京都豊島区南池袋4-16-6 古峯ビル 402
   合同会社カイユウ / KAI-YOU,LLC.
  (有楽町線池袋駅5番出口より徒歩10秒、JR池袋駅東口より徒歩13分)

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